Shinyatak
2012年5月第4週の投資情報:叩きのめされた市場、反発はどの程度か
明けない夜はない、ということで、13日中12日下げた市場もある中で、世界経済はどうなっていくでしょうか。
まずは、基本として叩き込んでおきたい春山さんのアドバイス。
(1)下落速度は、上昇速度の3倍速
(2)上昇初期は懸念の坂をイライラしながら時間(上昇期間全体の2/3程度)をかけて上昇し、その後の1/3の期間に懸念が消えて急上昇する。。。。このパターンの方が現実的だ。
(3)下落パターンも、「上がり過ぎの反動安~悪材料で大幅安~安値圏に入ってもまだ下がる」 という推移が多い。
最初は、過剰な期待から不安への移行期、それが顕在化するハイスピード反動安、そして、絶望の中で買い玉を集める向きが出始め、懸念の坂を上り、躁状態になって、最初に戻るというパターンです。さすが、投資家にわかりやすい説明、真摯な説明を心がけている春山さんらしいなと思わされる図であり、特に初心者投資家の方は参照されることをお勧めします。
続いては、不安の加速につながっているニュース。
冒頭で急進左翼連合が前回の選挙後もどんどん支持を伸ばしていると書きましたが、これには但し書きが必要です。それはギリシャ国民は急進左翼連合への支持は増やしているけど、ユーロ脱退は望んでいない(80%が残留希望)という点です。
ユーロを脱退すれば、ギリシャ政府の1日当りの収入は2,000万ドル程度しか無いわけですから、今、ドイツをはじめとするEU各国から強要されている、財政緊縮プログラムよりも遥かに厳しい耐乏生活をしなければいけなくなります。
つまり、どこかでギリシャ国民がこのチキンレースを翻し、全ギリシャ社会主義運動や新民主主義党などの伝統的政権の支持へと回帰する可能性も全く無いとは言えないのです。
最後に、若しギリシャがユーロを脱退し、新ドラクマを採用した場合、たぶんユーロは大暴騰します。それは一瞬にしてドイツを大不況に陥れるでしょう。
PS.なお僕のメイン・シナリオは以前に書いたとおり、ECBによる電撃利下げ、ドイツ労組の賃上げ容認などの成長戦略をメルケル首相が前倒し採用するというものです。
ギリシャ問題についてのエッセンスはこの引用文に詰まっていると思います。広瀬さんもまた、投資の初心者にわかりやすく説明することに優れていると思います。私も、投資観を養うのに参考にさせてもらっており、そのおかげで今があるようなものです。
結局は、ギリシャの左派も駆け引きを演じているという側面が強く、カードを持っているのなら、それを切らない手はない、という発想でいけば至極当然とも言えます。ドイツ側は、ギリシャの要求を呑むデメリットと、ユーロ圏の混乱を防ぐメリットを勘案する必要があり、その上で勝つ見込みがあるからこそそれを材料として交渉をしているわけです。
それは、以下の記事でも説明されています。
急進左派連合の要求はギリシャに課せられた財政緊縮プログラムを3年間、凍結して欲しいというものです。
「通貨ユーロは17の加盟国から構成されている。これは鎖のようにつながっている。その一番弱いリンク、すなわちギリシャが壊れたら、チェーン全体が連鎖的に壊れる。ドイツはギリシャ一国くらい犠牲にしても構わないと思っているかもしれない。でも若しギリシャが脱落したら、金融市場は次に血祭りにあげるターゲットとしてスペインやイタリアに焦点を移すだけだ」(中略)
ツィプラス党首はヨーロッパ全体におきている、「切り詰め疲れ」の風潮を敏感に読みとっています。
妥協的な約束をして、それを守れずに幾度も危機を繰り返すよりは、駆け引きの末に持続可能性のあるギリギリの線を探っていくこと、ある種人々の期待感に答えるような大胆な施策が求められるのではないでしょうか。
2012年5月第4週の経済指標
今週の相場は、
為替が79円01銭/ドル。リスクオフが世界的に進む中で、円高がさらに進行しました。円/ユーロは100.99円/ユーロと大幅にユーロ安方向、ドル/ユーロは、1.27ドル/ユーロ台とこちらも大幅にユーロ安で、ユーロの弱含みがさらに継続しています。
ダウは12369.38ドル。500ドル程度下げ、ついに欧州懸念に巻き込まれた感があります。
CME日経平均先物は8550円。ダブルパンチで大幅に下げました。
原油は91ドル前半。ドル高・経済先行きの両方を受けての数字です。
雰囲気としては、欧州の政治の先行き不安、Sell in Mayで市場は依然弱気継続中です。正直、私が想定していた以上に急激に、大きく下げています。悪材料出尽くし、自律反発と政策期待で上昇という流れを見誤らないようにしたいところです。
2012年5月第4週の経済指標
楽天証券HP、経済カレンダーより引用。外為どっとこむHP、予測カレンダー参照
| 21 | 月 | 14:00 3月景気動向指数・改訂値(内閣府) 13:30 3月全産業活動指数(経済産業省) |
カナダ休場(ビクトリア女王誕生日) |
| 22 | 火 | 日銀金融政策決定会合(~23日) | 10:00ET 4月米中古住宅販売件数 |
| 23 | 水 | 日銀金融政策決定会合(22日~発表) 08:50 4月貿易統計(通関ベース)(財務省) |
10:00ET 4月米新築住宅販売件数 10:00ET 3月米FHFA住宅価格指数 3月ユーロ圏国際収支 |
| 24 | 木 | 14:00 金融経済月報(日銀) | 08:30ET 4月米耐久財受注 08:30ET 米週間新規失業保険申請件数 |
| 25 | 金 | 08:30 4月全国消費者物価指数(総務省) | 10:00ET 5月米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値 |
先週は、ユーロ圏鉱工業生産、ZEW景況感調査が弱く、一方でGDPはまあまあ、といったところでした。米はNY連銀製造業景気指数、鉱工業生産など悪くなく、安心したところでフィリー連銀景況指数が大幅に下ブレ、ということで、欧州懸念に圧迫されて波に乗り切れないままジリ貧相場が続きました。
今週は、月曜日は、特にありません。
火曜日は、英CPI、リッチモンド連銀景況指数、欧州消費者信頼感指数、米中古住宅販売件数があります。英CPIはインフレ懸念もなくOKで、中古住宅販売は米国住宅市場における超重要指標ですが最近はスポットライトを浴びていません。
水曜日は、日銀金融政策決定会合、英小売売上高、米新築住宅販売です。この政策期待相場とも言える状況下で何らかの施策が発表されるかが見ものです。
木曜日は、独IFO景況指数のほか、注目の独欧の製造業・サービス業のPMIです。欧州危機は構造的な問題なので、直接的に影響するわけではありませんが、重要な指標であることには変わりありません。また、新規失業保険申請件数があります。
金曜日は、特にありません。
このように、欧州関係の政治動向を注視しつつ、やはり日銀金融政策決定会合と欧州関係の経済指標が注目の的になりそうな週と言えるでしょう。
2012年5月3週目の弁理士勉強記録:短答通過、焦点は論文へ
感触ほどにはできていなかったのですが、LECの速報と照らし合わせるとスーパーサプライズがない限り短答は通過していると思われるので、早速論文に集中していく必要があります。
短答は前半戦は驚くほど簡単で、傾向が変わったのかと思ったほどですが、後半に悩む問題が多く、目標の50点には届きませんでした。トータルで考えるといつもよりやや易というところでボーダーラインは高くて40点くらいでしょうか。
今週の勉強時間は、弁理士58時間、暗記4.5時間、英語1時間の計63.5時間です。たぶん記録です。
今週は、これから活用していく教材についてです。
| 弁理士論文演習〈1〉特許法・実用新案法 |
|
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弁理士受験新報編集部
法学書院 2011-04 |
以前も紹介した論文演習です。問題数が多いので、項目挙げを主にこなしていきたいと考えています。
なお、現時点までの累計勉強時間は、
弁理士2018時間、暗記118.5時間、英語118.5時間、簿記13時間、技術19時間、民訴11時間、民法25時間のTOTAL2161時間です。
経済理論を基礎として契約理論を身につける
池田さんの主張に対しては毀誉褒貶さまざまありますが、私は彼が物事を考える際にさまざまな理論的枠組みを用いていること、そして、そうしたロジックに基づいた議論を展開しようとしている点に強く賛同します。加えて、無知な私にとっては、新たな思考の枠組みが提供されるという意味でも価値のあるものとなっています。
しかし共同所有権が効率的な結果をもたらす場合もある。無限回くり返される非協力2人交渉ゲームにおいては、次のような外部オプション原理が知られている:
- 双方の外部オプション(ナッシュ交渉解の基準点)が交渉によって得られる利得の合計の1/2 よりも低い場合には、双方が1/2 を得る。
- 一方の外部オプションだけが1/2 を上回る時には、その側は均等配分よりも高いシェアを得る。
- 双方の外部オプションが1/2 を上回る時は、双方とも交渉を退出する。
したがって売り手が特殊投資をするように誘導するには、買い手もその売り手との相対取引によってのみ有効となる特殊投資を行なって外部オプションをみずから制約することが望ましく、同じことが売り手にも成り立つから、長期的関係でホールドアップを防ぐには共同所有権がもっとも効率的である。(中略)同じ効果は、補完的な資産を独立に所有することでも得られる。(中略)しかし共同所有権が有効なのは、長期的関係から逃れられない部族社会だけだ。
これはゲーム理論ですが、契約を考える上ではこうした経済的観点からの条件・誘因を理解した上で交渉を進めていくということが極めて大事なこととなってきます。交渉は、雇用先とのもの、取引先とのもの、敵対関係にある者とのものなどさまざまな場面で必要となってくるものでありますので、こうした理論に精通することは、弁理士という職業上不可欠といっても過言ではないといえるのではないでしょうか。
私も、受験勉強が終わったらこのへんの知識に手を出していきたいと考えています。その上で、学生のうちに経済学にある程度なじんでいたことは、強みになると考えています。
2012F1スペインGP決勝・アロンソとライコネンに担ぎ上げられるマルドナド
表彰台のシーンはとても印象的で、稀代の名ドライバー二人に担ぎ上げられ、ウイナーの仲間入りをしたマルドナドの笑顔がとても印象的でした。今回の優勝には賛否両論あるでしょうが、マルドナドはきっちり与えられた状況を活かしきりましたし、そこについてはしっかりと評価したいところです。
そのままポジションを守りきったマルドナドがウィリアムズにとって2004年ブラジルGP以来となる勝利を決め、4月に70歳の誕生日を迎えたフランク・ウィリアムズ代表のお祝いに最高のプレゼントで花を添えた。ベネズエラ人ドライバーの優勝はF1史上初であり、今季5戦目にして5つの異なるチームから5人目の勝者が誕生している。
2位アロンソ以下、ライコネン、グロージャン、可夢偉、ベッテル、ロズベルグ、ハミルトン、バトン、ヒュルケンベルグまでがポイントを獲得。
ウィリアムズといえばモントーヤがラルフと対立しつつも大活躍を果たしたチームであり、中南米ドライバーの活躍場所としてのイメージも築きつつありますね。
アロンソはスタートの良さを活かしきれなかったのが残念ですが、着実にポイントを重ね、ベッテルと並んでランキング1位と健闘しています。一方、3位のライコネンもしっかりポイントを積んできており、グロージャンと共にここ最近のロータスの安定振りを象徴しているかのようです。
マルドナドの影に隠れてしまいましたが、可夢偉も自己最高タイの5位ということで、条件が整えば表彰台も夢ではないことを実証してくれました。見ていてヒヤヒヤしましたが、バトンをインから鮮やかに抜く思い切りの良さというのは、全世界のF1ファンの胸を熱くしたものと思います(相手がバトンだからできること、という見方もできそうです)。
さて、アロンソのコメントはどうでしょうか。
フェルナンド・アロンソ(2位)
「決定的瞬間となったのは第2スティントの終わり。マルドナドが少し早くピットインし、僕らはコース上に残ったけど、丸々1周、バックマーカーの後ろでタイムロスしてしまったんだ。メインストレートの終盤でイエローフラッグが出ていたせいもあるんだけどね。(中略)今年のチャンピオンシップはレースごとにウイナーが変わり、トップチームが上下するから本当に解釈が難しい。僕らはカーデザインという面ではベストじゃない――その点ではまだやるべきことが多い――けど、ポテンシャルを十分に出し切ったということには誇りを持っていいと思う。たぶん、クルマの限界以上の成果だよ。この2戦――中国とバーレーン――ではすごく苦しんだから、またポディウムに上がれたのはすごくポジティブだし、残りのチャンピオンシップに対する自信が感じられる。みんな接近していて、ほんのわずかなことが違いを生むから、クルマのアップデートは続けなければいけない」
ライコネンの猛烈な追い上げはフェラーリ側の問題でもあったのですね。また、アロンソの言うように、今年はほんのわずかな差が大きな差につながり、与えられた状況を活かしきることで、勝利が手に入るということもあります。
タイヤとの付き合い方が大きなカギを握っているというのが特徴で、ピレリの発するインフォメーションに鑑みると、その傾向は今後も続いていくと考えられることから、経験豊富な浜島さんがフェラーリに加入したことは大きな価値につながるでしょう。
シーズン当初の調子を考えれば、今シーズンをモノにできれば、2010年のフェラーリチームの失態を拭い去るようなミラクルとなります。アロンソならミラクルを起こせるはずと信じつつ、アロンソの得意なモナコを楽しみにしたいと思います。
2012年5月第3週の経済情報2:中国の変調
今週は、中国関連の記事も多かったので、投資思考の整理がてらまとめてみたいと思います。
そこで、この際、1・2月の急減、ならびに急反発を無視して、中期的な趨勢を見ると、輸出も輸入もペースの鈍化が顕著です。
これは欧州債務危機が影響を及ぼしているものと考えられます。さらに言えば、中国の輸出マシーンの規模が、マーケットのサイズよりも大きくなってしまい、飽和状態に達した観があります。中国は成長のエンジンをこれまでの加工輸出型から内需型へシフトしている最中です。上に見る通り、貿易のエンジンはエンスト気味です。
その一方で内需へのシフトは政策にデリケートさを欠いている気がします。それはつまりとっくの昔に金融緩和して需要を刺激すべきところなのに、わざと冷たい、産業界を突き放したような政策を継続しているということです。
こうした供給側の過剰はリーマンショック以降の世界を痛めつける原因となったのは記憶に新しいところです。当時は、中国のいち早い行動がそれを救う原動力になりましたが、当時は中国がまだ痛みを抱えていない状況だったからできたことであって、当時の痛みが癒えていない現状ではおいそれと緩和へ向かうことはできないという判断が働いているようです。
また、中国は政治体制の移行の真っ最中ということもあり、レームダックには大胆な政策は打ち出せないという見方もできそうです。
続いては、中国の苦境を裏付ける記事です。
金曜日に発表された中国の経済指標は陰鬱な内容でした。
先ず4月の消費者物価指数(+3.4%)ならびに生産者物価指数(-0.7%)ですが、特に生産者物価指数は中国の生産キャパシティに余剰(=たるみ)があることを示唆する数字でした。
こうした動きは明白に生産過剰を示しています。
また、それをミクロから裏付けるのが以下の記事。
3月は例年、中国での建機需要が季節的要因で上向く時期なのですが、「今年は例年より需要回復が弱々しかった」というコメントでした。
鉱業向け建機市場では、同社は生産能力を増強している最中であり、それがコスト増を招いています。
機械株は中国の動向に大きく左右される面が多いので、日本でも注意すべき銘柄があるように思います。
最後に、春山さんのまとめです。
フランス、ギリシア、中国、JPモルガン、コンプ・ガチャ、悪材料5連発には抵抗できません
悪材料がこれだけ大量に出れば、株価が上がる方がオカシイと思う。
さて、4月5日から睡眠に入りで1カ月経過したので、5月7日から起床した。
しかし、今週は「外は竜巻、大雨、雹」という相場だったので、またまた巣籠りと相成った。
本当の自然気性も、今週は 「竜巻、大雨、雹」だった。思えば、ものすごい1週間だったのだ。
たしかに、悪材料満載の一週間で、ここからそれらがくすぶり続けるのか、一端の反転を見せるのか、それを新たな材料なども踏まえつつ探っていく1週間になりそうです。
2012年5月第3週の投資情報1:欧州政変総括
とりあえず、激動の欧州をまとめて認識を整理したいと思います。それにあたっては、広瀬さんと春山さんのブログを参考に考えていきます。
まずは、ギリシャです。
ギリシャは次の選挙がユーロ脱退の事実上のレファレンダムになる?
以上のことからギリシャの選挙後の多数派形成は失敗に終わり、6月に再び総選挙という線が強くなりました。
次の選挙では急進左派連合を中心とする小政党がさらに得票を伸ばし、極左勢力だけで大連合し、組閣する可能性も無いとは言えません。
それは次回選挙が、ギリシャのユーロ脱退の事実上のレファレンダムになることを意味します。
ギリシャの左派もそこまで愚かというわけではなく、現状の約定のままではうまく立ち行かないので、とりあえずユーロ脱退をにおわせつつより好条件を引き出したいという思惑があるようです。そういう意味では、ドイツの緩和容認姿勢など踏まえても結局はユーロ圏残留になるのかなと思いつつも、それまでの右往左往が市場の先行き不透明感を煽り、下げの要因になるのは必至です。
ユーロ圏全体としては、残留と追い出しのどちらが好ましいのでしょうか?
もし、ドイツが完全に見放して、ギリシアのユーロからの早期離脱が実現すれば、2年コースで終わるだろう。
その間の混乱は、短期で問題を解消するコストと考えるべきだろう。(中略)一方、ユーロに加盟させたまま、問題を解決するという20年コースは、以下のような姿だろう。
最強のドイツと最弱のギリシアの格差を反映した価格差を、為替以外で実現することになる。
端的には、労働力の時間給、社会福祉が、ドイツの1/2~1/3になるまで、ギリシアの賃金が下落する。
ギリシアの産業用地のコスト(不動産価格)もしかりだ。
長期に渡る猛烈なデフレが起こる。逆でも良い。
ドイツの賃金が、ギリシアの2倍~3倍になるまで上昇し、ドイツの不動産価格も同様に割高になるのだ。賃金上昇はインフレにつながるので、インフレ嫌いなドイツは断固として拒否するだろう。
輸出競争力の喪失も困るだろう。しかし、それでユーロが下落すれば、輸出競争力は維持できるだろうし、ユーロ加盟国内での競争力は完全には失われないだろう。
以上のような春山さんの考察を考えると、ドイツインフレ容認による解決策というのが最終的なランディングポイントになりそうです。WWⅠ後のハイパーインフレのトラウマがあるドイツとしては厳しい選択でしょうが、このまま不安定な状態が続くことに比べれば、容認可能なシナリオなのかなと考えています。
明確にこうした着地点を示すとまではいかなくとも、政治家の妥協の産物として再三の金融緩和を通して結果的に実現する、というのが現実的な解となりそうです。
一方、フランスはどうでしょうか。
フランス大統領選挙結果の第一印象 オランド勝利の市場に対するインパクト
つまり「成長」ということが欧州の新しいテーマとして急速に浮上しているのです。
オランド大統領はドイツのショイブレ財務相がEUの蔵相の集まりであるユーログループの議長になることを支持する立場を表明しています。これはドイツの顔を立てるという意味合いがあると思います。
国内的には選挙戦を戦っていた際の公約として、欧州安定化債の発行という案を持っています。欧州安定化債とは、インフラ投資に向けた、ヨーロッパ政府が共同で出す公債を指します。
またオランドは選挙戦の過程で、年間所得100万ユーロ以上の裕福層に対して最高税率75%の課税比率を適用してはどうかという考えを表明しています。
現在の最高税率は41%ですから75%というのはかなり極端な数字です。従ってこの税制改革については実現可能性を疑問視する投資家も多いです。
この他、選挙戦の際に提示した公約としては、欧州投資銀行の役割強化、金融取引税の導入、EU構造基金の活用などが挙げられます。
左派ということで、いかにも社会党的だなという政策も散見されますが、背に腹は変えられないということで、思い切った為替安による成長誘導といったこともなされるかもしれません。
そういう意味では、成長による危機の脱出というのも一時しのぎにすぎないのですが、公共投資などへの浪費型の経済政策を唱えるよりはよほどマシ、ということで、こちらもギリシャと同様、なあなあな感じはしますがその間に先述したようなユーロ圏内のリバランスが行われれば時間稼ぎとしてはアリなのかなと感じています。
最後は、ついに来ましたこの話題、という話題です。
近く欧米で金融緩和が発表されると思います。
具体的には、これまで政策金利を1%に維持してきた欧州中央銀行(ECB)が久しぶりに政策金利を切り下げる可能性が出てきました。
その理由は、先週、ドイツが「これまで以上のインフレを容認する」と宣言したからです。(中略)
さらに必要に応じてLTRO3(三年物流動性供給オペ第三弾)も発表されるかも知れません。
一方、米国でのQE3(追加的量的緩和政策第三弾)が実施されるかどうかは微妙なところですが、若しやるのなら、6月中までに実施されるでしょう。
緩和は日本にとっては円高と相殺する面もありますし、一時しのぎのカンフル剤にすぎないという意見もありますが、やはり、市場に与えるインパクトという点では大きく、これまで緩和後にしっかり上昇してきたアノマリーもあり、自己実現的に株式市場を上昇させる面はあります。
こちらも、あくまで時間稼ぎと割り切れば意味のないものではなく、それに対応したポートフォリオ作りを考えていく必要がありそうです。
2012年5月第3週の経済指標
今週の相場は、
為替が79円93銭/ドル。円高方向への模索の動きはありましたが、戻して先週と変わらずです。円/ユーロは103.25円/ユーロとユーロ安方向、ドル/ユーロは、1.29ドル/ユーロ前半とこちらもユーロ安で、ユーロの弱含みが継続しています。
ダウは12820.60ドル。日本株と比べると値持ちがいいです。
CME日経平均先物は8970円。ついに9000円割れです。
原油は96.13ドル。ドル高・経済先行きの両方を受けての数字です。
雰囲気としては、欧州の政治の先行き不安、Sell in Mayで市場は弱気継続中です。その一方で、緩和期待も見え始め、また、ある程度調整を終えたということもあり、チャンスを窺うという視点も忘れないようにしたいところです。
2012年5月第3週の経済指標
楽天証券HP、経済カレンダーより引用。外為どっとこむHP、予測カレンダー参照
| 14 | 月 | 08:50 4月企業物価指数・速報(日銀) | 3月ユーロ圏鉱工業生産 |
| 15 | 火 | 14:00 4月消費動向調査(内閣府) | 08:30ET 4月米消費者物価指数(CPI) 08:30ET 4月米小売売上高 10:00ET 3月米企業在庫 09:00ET 3月対米証券投資 08:30ET 5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数 |
| 16 | 水 | 08:50 3月機械受注(内閣府) 08:50 3月第3次産業活動指数(経済産業省) |
08:30ET 4月米住宅着工件数 08:30ET 4月米建設許可件数 09:15ET 4月米鉱工業生産指数 09:15ET 4月米設備稼働率 4月ユーロ圏消費者物価指数 |
| 17 | 木 | 08:50 2012年1-3月期GDP・一次速報(内閣府) 13:30 3月鉱工業生産・確報(経済産業省) 13:30 3月設備稼働率・確報(経済産業省) |
スイス休場(アセンションデー) 00:00ET 5月米フィラデルフィア連銀景況指数 10:00ET 4月米景気先行指数 08:30ET 米週間新規失業保険申請件数 |
| 18 | 金 |
先週は、オーストラリアの経済指標や、独鉱工業生産、貿易収支などが良かった一方、米PPIや中国小売売上高、製造系指数等がたるみ、なんとも言い難い経済指標が続く中で、政治要因の波乱が重なり、相場は低迷しました。
今週月曜日は、特にありません。
火曜日は、仏・独・ユーロ圏の第1QGDPです。他に、ZEW景況感調査、米CPI、小売売上高、NY連銀製造業景気指数など、重要度の高い指標がてんこもりです。米経済の簡単な健康診断ができるほどです。
水曜日は、日本の機械受注のほか、米住宅着工、鉱工業生産、FOMC議事録などです。
木曜日は、日本の第1QGDPのほか、米フィリー連銀景況指数、新規失業保険申請件数などです。
金曜日は、特にありません。
このように、今週は火曜日が重要経済指標が立ち並ぶ重要日になりそうです。また、国内企業の決算もまだまだ続き、個別の流れを生む要因となるでしょう。


