投資情報

2012年5月第4週の投資情報:叩きのめされた市場、反発はどの程度か

明けない夜はない、ということで、13日中12日下げた市場もある中で、世界経済はどうなっていくでしょうか。

まずは、基本として叩き込んでおきたい春山さんのアドバイス。

絵で説明するにしても、実践に即したい

(1)下落速度は、上昇速度の3倍速

(2)上昇初期は懸念の坂をイライラしながら時間(上昇期間全体の2/3程度)をかけて上昇し、その後の1/3の期間に懸念が消えて急上昇する。。。。このパターンの方が現実的だ。

(3)下落パターンも、「上がり過ぎの反動安~悪材料で大幅安~安値圏に入ってもまだ下がる」 という推移が多い。

最初は、過剰な期待から不安への移行期、それが顕在化するハイスピード反動安、そして、絶望の中で買い玉を集める向きが出始め、懸念の坂を上り、躁状態になって、最初に戻るというパターンです。さすが、投資家にわかりやすい説明、真摯な説明を心がけている春山さんらしいなと思わされる図であり、特に初心者投資家の方は参照されることをお勧めします。

続いては、不安の加速につながっているニュース。

取り付け騒ぎが起こった ギリシャのユーロ脱退の噂で

冒頭で急進左翼連合が前回の選挙後もどんどん支持を伸ばしていると書きましたが、これには但し書きが必要です。それはギリシャ国民は急進左翼連合への支持は増やしているけど、ユーロ脱退は望んでいない(80%が残留希望)という点です。

ユーロを脱退すれば、ギリシャ政府の1日当りの収入は2,000万ドル程度しか無いわけですから、今、ドイツをはじめとするEU各国から強要されている、財政緊縮プログラムよりも遥かに厳しい耐乏生活をしなければいけなくなります。

つまり、どこかでギリシャ国民がこのチキンレースを翻し、全ギリシャ社会主義運動や新民主主義党などの伝統的政権の支持へと回帰する可能性も全く無いとは言えないのです。

最後に、若しギリシャがユーロを脱退し、新ドラクマを採用した場合、たぶんユーロは大暴騰します。それは一瞬にしてドイツを大不況に陥れるでしょう。

PS.なお僕のメイン・シナリオは以前に書いたとおり、ECBによる電撃利下げ、ドイツ労組の賃上げ容認などの成長戦略をメルケル首相が前倒し採用するというものです。

ギリシャ問題についてのエッセンスはこの引用文に詰まっていると思います。広瀬さんもまた、投資の初心者にわかりやすく説明することに優れていると思います。私も、投資観を養うのに参考にさせてもらっており、そのおかげで今があるようなものです。

結局は、ギリシャの左派も駆け引きを演じているという側面が強く、カードを持っているのなら、それを切らない手はない、という発想でいけば至極当然とも言えます。ドイツ側は、ギリシャの要求を呑むデメリットと、ユーロ圏の混乱を防ぐメリットを勘案する必要があり、その上で勝つ見込みがあるからこそそれを材料として交渉をしているわけです。

それは、以下の記事でも説明されています。

いい味だしているギリシャ急進左派連合のツィプラス党首

急進左派連合の要求はギリシャに課せられた財政緊縮プログラムを3年間、凍結して欲しいというものです。

「通貨ユーロは17の加盟国から構成されている。これは鎖のようにつながっている。その一番弱いリンク、すなわちギリシャが壊れたら、チェーン全体が連鎖的に壊れる。ドイツはギリシャ一国くらい犠牲にしても構わないと思っているかもしれない。でも若しギリシャが脱落したら、金融市場は次に血祭りにあげるターゲットとしてスペインやイタリアに焦点を移すだけだ」(中略)

ツィプラス党首はヨーロッパ全体におきている、「切り詰め疲れ」の風潮を敏感に読みとっています。

妥協的な約束をして、それを守れずに幾度も危機を繰り返すよりは、駆け引きの末に持続可能性のあるギリギリの線を探っていくこと、ある種人々の期待感に答えるような大胆な施策が求められるのではないでしょうか。

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2012年5月第4週の経済指標

楽天証券HP、経済カレンダーより引用。外為どっとこむHP、予測カレンダー参照

21 14:00 3月景気動向指数・改訂値(内閣府)
13:30 3月全産業活動指数(経済産業省)
カナダ休場(ビクトリア女王誕生日)
22 日銀金融政策決定会合(~23日) 10:00ET 4月米中古住宅販売件数
23 日銀金融政策決定会合(22日~発表)
08:50 4月貿易統計(通関ベース)(財務省)
10:00ET 4月米新築住宅販売件数
10:00ET 3月米FHFA住宅価格指数
3月ユーロ圏国際収支
24 14:00 金融経済月報(日銀) 08:30ET 4月米耐久財受注
08:30ET 米週間新規失業保険申請件数
25 08:30 4月全国消費者物価指数(総務省) 10:00ET 5月米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値

先週は、ユーロ圏鉱工業生産、ZEW景況感調査が弱く、一方でGDPはまあまあ、といったところでした。米はNY連銀製造業景気指数、鉱工業生産など悪くなく、安心したところでフィリー連銀景況指数が大幅に下ブレ、ということで、欧州懸念に圧迫されて波に乗り切れないままジリ貧相場が続きました。

今週は、月曜日は、特にありません。

火曜日は、英CPI、リッチモンド連銀景況指数、欧州消費者信頼感指数、米中古住宅販売件数があります。英CPIはインフレ懸念もなくOKで、中古住宅販売は米国住宅市場における超重要指標ですが最近はスポットライトを浴びていません。

水曜日は、日銀金融政策決定会合、英小売売上高、米新築住宅販売です。この政策期待相場とも言える状況下で何らかの施策が発表されるかが見ものです。

木曜日は、独IFO景況指数のほか、注目の独欧の製造業・サービス業のPMIです。欧州危機は構造的な問題なので、直接的に影響するわけではありませんが、重要な指標であることには変わりありません。また、新規失業保険申請件数があります。

金曜日は、特にありません。

このように、欧州関係の政治動向を注視しつつ、やはり日銀金融政策決定会合と欧州関係の経済指標が注目の的になりそうな週と言えるでしょう。

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2012年5月第3週の経済情報2:中国の変調

今週は、中国関連の記事も多かったので、投資思考の整理がてらまとめてみたいと思います。

中国の貿易統計は世界貿易の構造変化を認めざるを得ない

そこで、この際、1・2月の急減、ならびに急反発を無視して、中期的な趨勢を見ると、輸出も輸入もペースの鈍化が顕著です。
これは欧州債務危機が影響を及ぼしているものと考えられます。さらに言えば、中国の輸出マシーンの規模が、マーケットのサイズよりも大きくなってしまい、飽和状態に達した観があります。

中国は成長のエンジンをこれまでの加工輸出型から内需型へシフトしている最中です。上に見る通り、貿易のエンジンはエンスト気味です。

その一方で内需へのシフトは政策にデリケートさを欠いている気がします。それはつまりとっくの昔に金融緩和して需要を刺激すべきところなのに、わざと冷たい、産業界を突き放したような政策を継続しているということです。

こうした供給側の過剰はリーマンショック以降の世界を痛めつける原因となったのは記憶に新しいところです。当時は、中国のいち早い行動がそれを救う原動力になりましたが、当時は中国がまだ痛みを抱えていない状況だったからできたことであって、当時の痛みが癒えていない現状ではおいそれと緩和へ向かうことはできないという判断が働いているようです。

また、中国は政治体制の移行の真っ最中ということもあり、レームダックには大胆な政策は打ち出せないという見方もできそうです。

続いては、中国の苦境を裏付ける記事です。

ソフトランディングのチャンスを逸した中国

金曜日に発表された中国の経済指標は陰鬱な内容でした。

先ず4月の消費者物価指数(+3.4%)ならびに生産者物価指数(-0.7%)ですが、特に生産者物価指数は中国の生産キャパシティに余剰(=たるみ)があることを示唆する数字でした。

こうした動きは明白に生産過剰を示しています。

また、それをミクロから裏付けるのが以下の記事。

中国市場で苦戦するキャタピラー

3月は例年、中国での建機需要が季節的要因で上向く時期なのですが、「今年は例年より需要回復が弱々しかった」というコメントでした。

鉱業向け建機市場では、同社は生産能力を増強している最中であり、それがコスト増を招いています。

機械株は中国の動向に大きく左右される面が多いので、日本でも注意すべき銘柄があるように思います。

最後に、春山さんのまとめです。

フランス、ギリシア、中国、JPモルガン、コンプ・ガチャ、悪材料5連発には抵抗できません

悪材料がこれだけ大量に出れば、株価が上がる方がオカシイと思う。

さて、4月5日から睡眠に入りで1カ月経過したので、5月7日から起床した。
しかし、今週は「外は竜巻、大雨、雹」という相場だったので、またまた巣籠りと相成った。
本当の自然気性も、今週は  「竜巻、大雨、雹」だった。

思えば、ものすごい1週間だったのだ。

たしかに、悪材料満載の一週間で、ここからそれらがくすぶり続けるのか、一端の反転を見せるのか、それを新たな材料なども踏まえつつ探っていく1週間になりそうです。

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2012年5月第3週の投資情報1:欧州政変総括

とりあえず、激動の欧州をまとめて認識を整理したいと思います。それにあたっては、広瀬さんと春山さんのブログを参考に考えていきます。

まずは、ギリシャです。

ギリシャは次の選挙がユーロ脱退の事実上のレファレンダムになる?

以上のことからギリシャの選挙後の多数派形成は失敗に終わり、6月に再び総選挙という線が強くなりました。

次の選挙では急進左派連合を中心とする小政党がさらに得票を伸ばし、極左勢力だけで大連合し、組閣する可能性も無いとは言えません。

それは次回選挙が、ギリシャのユーロ脱退の事実上のレファレンダムになることを意味します。

ギリシャの左派もそこまで愚かというわけではなく、現状の約定のままではうまく立ち行かないので、とりあえずユーロ脱退をにおわせつつより好条件を引き出したいという思惑があるようです。そういう意味では、ドイツの緩和容認姿勢など踏まえても結局はユーロ圏残留になるのかなと思いつつも、それまでの右往左往が市場の先行き不透明感を煽り、下げの要因になるのは必至です。

ユーロ圏全体としては、残留と追い出しのどちらが好ましいのでしょうか?

2年勝負か、20年勝負か、ドイツが決めるギリシアの運命

もし、ドイツが完全に見放して、ギリシアのユーロからの早期離脱が実現すれば、2年コースで終わるだろう。
その間の混乱は、短期で問題を解消するコストと考えるべきだろう。(中略)

一方、ユーロに加盟させたまま、問題を解決するという20年コースは、以下のような姿だろう。

最強のドイツと最弱のギリシアの格差を反映した価格差を、為替以外で実現することになる。

端的には、労働力の時間給、社会福祉が、ドイツの1/2~1/3になるまで、ギリシアの賃金が下落する。
ギリシアの産業用地のコスト(不動産価格)もしかりだ。
長期に渡る猛烈なデフレが起こる。

逆でも良い。
ドイツの賃金が、ギリシアの2倍~3倍になるまで上昇し、ドイツの不動産価格も同様に割高になるのだ。

賃金上昇はインフレにつながるので、インフレ嫌いなドイツは断固として拒否するだろう。
輸出競争力の喪失も困るだろう。

しかし、それでユーロが下落すれば、輸出競争力は維持できるだろうし、ユーロ加盟国内での競争力は完全には失われないだろう。

以上のような春山さんの考察を考えると、ドイツインフレ容認による解決策というのが最終的なランディングポイントになりそうです。WWⅠ後のハイパーインフレのトラウマがあるドイツとしては厳しい選択でしょうが、このまま不安定な状態が続くことに比べれば、容認可能なシナリオなのかなと考えています。

明確にこうした着地点を示すとまではいかなくとも、政治家の妥協の産物として再三の金融緩和を通して結果的に実現する、というのが現実的な解となりそうです。

一方、フランスはどうでしょうか。

フランス大統領選挙結果の第一印象 オランド勝利の市場に対するインパクト

つまり「成長」ということが欧州の新しいテーマとして急速に浮上しているのです。

オランド大統領はドイツのショイブレ財務相がEUの蔵相の集まりであるユーログループの議長になることを支持する立場を表明しています。これはドイツの顔を立てるという意味合いがあると思います。

国内的には選挙戦を戦っていた際の公約として、欧州安定化債の発行という案を持っています。欧州安定化債とは、インフラ投資に向けた、ヨーロッパ政府が共同で出す公債を指します。

またオランドは選挙戦の過程で、年間所得100万ユーロ以上の裕福層に対して最高税率75%の課税比率を適用してはどうかという考えを表明しています。

現在の最高税率は41%ですから75%というのはかなり極端な数字です。従ってこの税制改革については実現可能性を疑問視する投資家も多いです。

この他、選挙戦の際に提示した公約としては、欧州投資銀行の役割強化、金融取引税の導入、EU構造基金の活用などが挙げられます。

左派ということで、いかにも社会党的だなという政策も散見されますが、背に腹は変えられないということで、思い切った為替安による成長誘導といったこともなされるかもしれません。

そういう意味では、成長による危機の脱出というのも一時しのぎにすぎないのですが、公共投資などへの浪費型の経済政策を唱えるよりはよほどマシ、ということで、こちらもギリシャと同様、なあなあな感じはしますがその間に先述したようなユーロ圏内のリバランスが行われれば時間稼ぎとしてはアリなのかなと感じています。

最後は、ついに来ましたこの話題、という話題です。

金融緩和が来る

近く欧米で金融緩和が発表されると思います。

具体的には、これまで政策金利を1%に維持してきた欧州中央銀行(ECB)が久しぶりに政策金利を切り下げる可能性が出てきました。

その理由は、先週、ドイツが「これまで以上のインフレを容認する」と宣言したからです。(中略)

さらに必要に応じてLTRO3(三年物流動性供給オペ第三弾)も発表されるかも知れません。

一方、米国でのQE3(追加的量的緩和政策第三弾)が実施されるかどうかは微妙なところですが、若しやるのなら、6月中までに実施されるでしょう。

緩和は日本にとっては円高と相殺する面もありますし、一時しのぎのカンフル剤にすぎないという意見もありますが、やはり、市場に与えるインパクトという点では大きく、これまで緩和後にしっかり上昇してきたアノマリーもあり、自己実現的に株式市場を上昇させる面はあります。

こちらも、あくまで時間稼ぎと割り切れば意味のないものではなく、それに対応したポートフォリオ作りを考えていく必要がありそうです。

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2012年5月第3週の経済指標

楽天証券HP、経済カレンダーより引用。外為どっとこむHP、予測カレンダー参照

14 08:50 4月企業物価指数・速報(日銀) 3月ユーロ圏鉱工業生産
15 14:00 4月消費動向調査(内閣府) 08:30ET 4月米消費者物価指数(CPI)
08:30ET 4月米小売売上高
10:00ET 3月米企業在庫
09:00ET 3月対米証券投資
08:30ET 5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
16 08:50 3月機械受注(内閣府)
08:50 3月第3次産業活動指数(経済産業省)
08:30ET 4月米住宅着工件数
08:30ET 4月米建設許可件数
09:15ET 4月米鉱工業生産指数
09:15ET 4月米設備稼働率
4月ユーロ圏消費者物価指数
17 08:50 2012年1-3月期GDP・一次速報(内閣府)
13:30 3月鉱工業生産・確報(経済産業省)
13:30 3月設備稼働率・確報(経済産業省)
スイス休場(アセンションデー)
00:00ET 5月米フィラデルフィア連銀景況指数
10:00ET 4月米景気先行指数
08:30ET 米週間新規失業保険申請件数
18

先週は、オーストラリアの経済指標や、独鉱工業生産、貿易収支などが良かった一方、米PPIや中国小売売上高、製造系指数等がたるみ、なんとも言い難い経済指標が続く中で、政治要因の波乱が重なり、相場は低迷しました。

今週月曜日は、特にありません。

火曜日は、仏・独・ユーロ圏の第1QGDPです。他に、ZEW景況感調査、米CPI、小売売上高、NY連銀製造業景気指数など、重要度の高い指標がてんこもりです。米経済の簡単な健康診断ができるほどです。

水曜日は、日本の機械受注のほか、米住宅着工、鉱工業生産、FOMC議事録などです。

木曜日は、日本の第1QGDPのほか、米フィリー連銀景況指数、新規失業保険申請件数などです。

金曜日は、特にありません。

このように、今週は火曜日が重要経済指標が立ち並ぶ重要日になりそうです。また、国内企業の決算もまだまだ続き、個別の流れを生む要因となるでしょう。

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2012年5月第2週の投資情報:欧州政治がカギ

フランス大統領選とギリシャ総選挙が来週以降の相場を大きく揺るがすことは間違いないと言えるでしょう。そんな中、どんなところに注目すべきか、マーケットハックから参考になる記事を引用します。

駅前で盗まれるチャリとスペインの住宅ローン焦げ付き問題

さて、銀行会計の見地からすればリコース型のローンは借金取り立ての強制力が強いことを根拠に、少々支払が遅延しても「この借り手からはもう借金の取り立ては出来ない」と諦める、つまり焦げ付きに認定することをずっと先延ばしにしてきました。

言い換えれば貸し倒れの問題を帳簿上で正直に認めることを拒んできたわけです。

しかし去年、会計方式が改まり、スペインの銀行が差し押さえ物件をいつまでも抱いたままにするメリットが薄れました。

このため金融機関による不動産の投げ売りが出始めているのです。

上記のような様々な要因が重なった結果、スペインの銀行は今後、焦げ付きの増加を経験すると思われます。

こうした制度上の動きが実体経済に影響を与えるというパターンは少なからずあります。現実に向き合わなければならない状況になりつつあるということで、それによる衝撃を吸収する政策が担保されないことには、大きなショックへとつながってしまいかねません。

こうしたリスク要因が浮き彫りになりつつあるということ、そして、こうした要因は相場の調子がいいときは無視されるが、いったん弱くなってくると投資家の意識の中で顕在化してくるということを念頭に置いて行動すべきでしょう。

一方、米国の数字もよくはありませんでした。

4月の非農業部門雇用者数は市場予想を下回ったがマーケットの反応は限定的

株式市場はこの悪い数字に対して余り大きな反応を示していません。
その一つの理由は先日ADP雇用統計が発表された後、市場参加者の予想が下がったからだと思います。因みにADP雇用統計は予想の+17万人に対して+11.9万人でした。

市場が余り慌てていないもうひとつの理由は過去の非農業部門雇用者数の数字が上方修正されたからだと思います。(5月改訂の部分を見て下さい)

最後に株式市場へのネガティブ・インパクトが限定的である理由としてQE3期待ということがあると思います。ただ今日の数字を見る限りではすぐにQE3を発動しなければいけないほどの悪さでもない気がします。

この記事は数字が出た直後のものだと思われるので、こういった書きぶりになっていますが、結果的にはかなり下げたと捉えていいと思います。やはり、広瀬さんも指摘するように、QE3の話題が再登場するほどではないし、絶対水準としては相場もいい位置にあるということが言えます。

私としては、ひどすぎるといった印象を受けるものではありませんでしたし、第一四半期のような能天気な数字が続く方が逆に怖く、こうしたやや弱い数字が出て市場参加者の期待が修正される方がよっぽど好ましいかなと感じています。ここで調整したことで、経済指標がらみの大きな下げが出るリスクは低減したと考えていいでしょう(政治がらみはまた別問題ですが・・・)。

最後に、ギリシャ総選挙の見所について。

日曜日に迫ったギリシャ総選挙のここを見る事

つまり財政削減がきちんと実行に移されない、規制緩和や労働市場の改革などの経済の構造改革が進まないというリスクがあるのです。

また、三つ以上の政党による連立政権が上手く機能せず、早々に再び解散総選挙に追い込まれてしまうリスクすらあります。

この日はフランスも大統領選挙の決選投票がありますが、フランスでもムードとしては「切り詰めの心配をするより、今はGDP成長をどう出すかを心配すべき局面だ」という世論が高まっています。

ギリシャやフランスでこのような論調が強まるとドイツとの対立が深まる危険性もあります。

成長と緊縮財政のつばぜり合いですが、成長が果たして可能なのか、緊縮財政が財政にいい影響をもたらすかという、「結果を出せるか」というところでの説得力が結果を左右するものと思われます。生活が厳しいから、と出来もしない公約になびくほど、国民は愚かではないものと考えています。

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2012年5月第2週の経済指標

楽天証券HP、経済カレンダーより引用。外為どっとこむHP、予測カレンダー参照

7 08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(4月9・10日分) ロンドン休場(アーリー・メイ・バンクホリデー)
8
9 14:00 3月景気動向指数・速報(内閣府)
10 14:00 4月景気ウォッチャー調査(内閣府)
08:50 3月国際収支(財務省)
08:30ET 3月米貿易収支
12:00GMT イングランド銀行(BOE)政策金利発表
08:30ET 米週間新規失業保険申請件数
11 08:50 4月マネーストック(日銀) 08:30ET 4月米生産者物価指数(PPI)
14:00ET 4月米月次財政収支
10:00ET 4月米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値

先週は、シカゴ購買部協会景気指数が弱含み、ADPと雇用統計がやはり弱く、ISM非製造業景況指数もやや物足りず。一方で、ISM製造業景況指数と新規失業保険申請件数はgoodといった感じで、まちまちでした。

今週は、月曜日は、特にありません。

火曜日は、独鉱工業生産があります。

水曜日は、独国際収支、仏貿易収支があります。

木曜日は、日本の国際収支、ECB月例報告、BOE政策金利発表、英鉱工業生産、米新規失業保険申請件数などです。

金曜日は、独CPI、米PPI、ミシガン大消費者信頼感指数速報値です。

このように、先週に比べれば経済指標は少なく、経済指標がまちまちの中で市場の期待も縮小して行っている中ですから、そうした面からは大きな動きは見られないと考えられます。

一方で、フランスとギリシャの政治をめぐる駆け引きは最高潮に達しており、その不安定要因によって大きく相場が動くというシナリオは大いに考えられ、そうした要因を踏まえて振舞う必要がありそうです。

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2012年5月第1週の投資情報:個別の強さと全体の弱さが交錯する市場

現状の日本の消費市場を見てもわかるように、不透明感というものは消費や投資の抑制を呼びます。現在の世界市場で不透明感をもたらしているのが、やはり欧州の政治経済の問題でしょう。

中原さんは、その点に着目してこの先の市場について言及しています。

不安は少し和らいだが…

5月にはドイツで来年の連邦議会選挙を占う州議会選挙、6月にはオランダで総選挙が行われる予定ですが、オランド氏が現実路線に方針を転換し、EUに緊縮財政を約束したギリシャの連立与党が勝利すれば、当面の政治リスクは回避されることになるでしょう。

ただし、それは現状の枠組みを壊さずに維持したに過ぎません。歴史的に見ても、5月~10月は用心して金融市場に臨む必要があるでしょう。

やはり、再び年初のような安心感がもたらされても継続的なsurge upは望めないと考えた方がよさそうです。ただ、ひたすら悲観派になっても一時的な平安期に足元を掬われるので、今年も、いったんSell in Mayが見られた後は、大きな流れが出るというよりはレンジ相場での振る舞いを継続するのが賢いかもしれません。

続いては、現在の米国市場についての広瀬さんの記事。

米国の決算シーズンは好調な滑り出し

米国の決算シーズンが第3週目を迎えています。
今回既に決算発表をした企業のうち72%がEPSで市場予想を上回っています。(中略)

最後にガイダンスですが今期の決算シーズンでは久しぶりに強気のガイダンスを出す企業がいまのところ多い点は注目に値します。

米市場だけを見ればすこぶる好調、以下のような話さえ聞かれます。

S&P500指数にフォロースルー・デーが至現

インベスターズ・ビジネス・デイリー(IBD)は4月26日付けで米国株式市場にフォロースルー・デーが至現したとしています。

フォロースルー・デーはウイリアム・オニールの定義するところの、「マーケットが調整局面(correction)から上昇相場(Up-trend)に転換する日」です。(中略)

これらのチャートはS&P500とは違ってダウントレンドをハッキリ離脱できた様子はありません。ただ値幅的にはかなり調整したのでここからはアップサイドの方が大きい気がします。

現在の世界市場について考えるに、米国市場が重要な位置を占めるのは疑いないものの、欧州の政治・経済面の不調や不透明感、中国など新興諸国の調子などで左右される面も大きく、米市場が好調だからというだけで買いにいけるほど楽観的にはなれません。

一方で、大きく上げる可能性は低いものの、循環物色のレンジ相場になる可能性は低くないと考えており、先行株をフォローする遅行株、出遅れ株といったところに手を出すというのは一つの戦略として成り立つ可能性はあると考えています。

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2012年5月第1週の経済指標

楽天証券HP、経済カレンダーより引用。外為どっとこむHP、予測カレンダー参照

30 振替休日 上海、深セン休場(労働節)
08:30ET 3月米個人所得・支出
10:00ET 4月米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値
4月ユーロ圏消費者物価指数・速報
1 上海、深セン、香港、シンガポール、フランクフルト、パリ、アムステルダム、ユーロネクスト、スイス休場(レイバーデー)
10:00ET 4月米ISM製造業景況指数
2 08:50 4月マネタリーベース(日銀) 08:15ET 4月米ADP雇用統計
10:00ET 3月米製造業新規受注
3月ユーロ圏失業率
3 憲法記念日 10:00ET 4月米ISM非製造業景況指数
14:30CET 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
3月ユーロ圏生産者物価指数
08:30ET 米週間新規失業保険申請件数
4 みどりの日 08:30ET 4月米雇用統計
3月ユーロ圏小売売上高

先週は、独製造業PMIと欧州製造業・サービス業PMIの大コケから始まり、オーストラリアCPIの弱含み、米耐久財受注、新規失業保険申請件数の弱含み、そして何より米第1QGDPが下ブレということで、世界経済全体に暗雲が立ち込めているといった印象です。

ただ、経済指標はあくまでも後発的なものであり、株式市場に遅れて反応するという立場に立てば、第1QGDPの数字にも関わらず米の株式市場が強いことなど考えても、今後はレンジ相場が続くのかなという印象もあります。また、筋肉質になった(=マクロを犠牲にした)個別企業の強さも目立ちますね。

今週は、月曜日は、欧州CPIのほか、シカゴ購買部協会景気指数があります。東京市場は休場です。

火曜日は、英製造業PMIのほか、大関級の指標であるISM製造業景況指数があります。市場予想は前月並みです。

水曜日は、独欧の雇用系指標のほか、米ADP雇用者数があります。雇用統計に対してブレの大きい指標です。

木曜日は、英サービス業PMIのほか、ECB政策金利発表、新規失業保険申請件数、ISM非製造業景況指数があります。

金曜日は、欧州小売売上高、米雇用統計、失業率などがあります。前回が悪かったので、今回は持ち直しが予想されています。

このように、今週は相撲で言えば後半戦、横綱・大関級の指標が立ち並んでいます。これらに備えた動き、これらによる動きなど様々見られそうなので、全体の動きに気を払いつつ、個別の動きで利鞘が稼げればと思います。

とは言え、東京市場は3日間休場があるので、それを踏まえると全体の動きがより大きな意味を持ちそうです。

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2012年4月第4週の投資情報:Sell in Mayはあるか

欧州バズーカ砲のLTROも、やはり威力が弱ってきており、経済にフリーランチはないということをまざまざと見せつけられています。

スペインとイタリアの銀行はLTRO(3年物流動性供給オペ)で得た資金をほぼ使い果たしてしまった

スペインの銀行の場合、欧州中央銀行から合計2,000億ユーロの流動性供給を受けました。

しかし、そのうち760億ユーロを使ってスペイン国債を購入し、さらに債務の借り換えや預金者による預金の引き出しなどで出て行ってしまったお金を合計するとLTROで融通して貰ったお金はあと210億ユーロしか残っていないのだそうです。

このような苦しい台所事情はイタリアもほぼ同じです。

こうした慢性的な弱みを抱えていると、相場の需給にあわせて、売りたいときの格好の材料、理由付けとなると考えられ、そういう意味では毎年の相場の需給によって起こるSell in Mayが今年も示現する可能性は極めて高いと考えています。

その一方で、円安を受けた個別企業の強さだったり、米のハイテクの強さだったり、中央銀行の政策への期待といったものを踏まえると、なかなか売りに踏み切れないというのも事実であり、今週のこれらの要素がどう動くかを観察しつつ、中期的なスタンスを決めるのがよいかと思われます。

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弁理士(Patent Attorney)志望、個人投資家(Invester)。TDLと同い年。平成24年合格を目指して3月から勉強開始。F1とドラえもんをこよなく愛す。I wanna be friends and build strong ties with you:)特に知財関係の方は宜しくお願いします。