相撲
待ちに待った大関・稀勢の里誕生!
魁皇の引退で、大相撲界における日本人勢力も危機に立たされましたが、名大関・魁皇引退と世代交代の予感のエントリーで触れた二人が、連続で大関昇進を決めてくれました。
「亡くなった師匠にいい報告ができる。ここまで育ててくれた感謝、ここまで来られた感謝を伝えたい」。場所前に急死した先代の鳴戸親方は厳しかった。取組後には毎日結果を報告したが、説教は2時間を超えることも。「師匠が世界で一番怖い。立ち合いの変化なんかをすると殺されますよ」と漏らしたことがある。「真面目に一生懸命やることを師匠から教えてもらいましたから」。遺志は受け継いでいる。
秋場所後、大関昇進を確信した故鳴戸親方は昇進伝達式用の羽織はかまを新調した。弟子には内緒。ばれないよう九州にも持参しなかったが、千葉県松戸市の自宅で試着した際には典子夫人に「似合うか?」とうれしそうに話した。11日の告別式で故鳴戸親方はその羽織はかまをまとい天国へ旅立った。「もう一つ上(横綱)を目指すためには力をつけ、自分で甘えないでやるしかない」。供養の場所で恩返しはできた。あとは師匠の言葉を忘れず頂点を目指す。
隆の里の指導が報われたということでしょうか。変化を嫌う正攻法の相撲、土俵態度というものは、今回星数が足らない中でも昇進するという近年では異例の措置へとつながっていきました。
前回、星数が足らずに昇進したのは千代大海で、その前大乃国あたりでしょうか。やはり、日本人大関が待望されている中だったり、若手を入れたいときだったり、二子山勢の席巻状況があったりと、協会側の事情が見え隠れします。とは言え、古くは初代若乃花や北の富士など、名横綱と呼ばれた人々も緩い基準で上がって結果を残していますから、地位は人を作るという観点から協会の柔軟な対処を好意的に捉えたいと思います。
これで大関は二人、下には豊ノ島、豪栄道、栃煌山あたりも控えています。隠岐の海や栃乃若というさらに下の世代も着々と実力をつけてきていますし、今後が楽しみです。
外国勢では、安定感のある鶴竜のほか、今場所は奮わなかったものの魁聖なんかも楽しみな人材です。
若手がどんどん横綱・大関に上がって、土俵を活性化してくれることを期待しています。
0名大関・魁皇引退と世代交代の予感
カド番を経ずに魁皇が引退したことは、あまりにもサッパリした引き際だっただけにややサプライズの感がありました。
「琴奨菊は大関目指して頑張ってる。そういう力士が出てきたからというのは多少あります。琴奨菊にしても稀勢の里にしても(今場所は)自分の形になって負けた」(中略)
最も印象深い一番は00年初場所千秋楽、7勝7敗で迎えた武双山(現藤島親方)戦を挙げた。当時、関脇同士でライバル関係にあったが、その相手に簡単に押し倒されて惨敗。「あの悔しさがあったから大関に上がれた」。そこから奮起した魁皇は翌々場所に大関昇進を決め“名大関”の道を歩むことになった。
魁皇と言えば、貴乃花と曙が全盛の時代には名三役として、武蔵丸時代に大関として頭角を現し、朝青龍時代には横綱まであと一歩というところまで行きました。白鵬時代にはさすがに衰え、勝ち越すのがやっとの状況でしたが、2006年頃の崩れ方に比べ、近年は安定的に8勝から9勝を挙げており、昨年の九州だったかは久々の12勝という大勝ちまで見せました。
魁皇の相撲内容的には、賛否両論ありました。左四つ右上手の絶対の型は、その態勢になれば相手が横綱であろうとも問答無用で倒せるほどの強さを誇り、型のある力士のお手本のようでした。一方で、苦しい態勢になった際の強引な小手投げなどは、栃東や栃ノ洋など多くの犠牲者を生み、どうかなと思うときもありました。
とは言え、武蔵丸相手に対戦成績拮抗、同時代を彩った主だった大関陣には圧勝という輝かしい成績で、通算勝利数などの記録には、その数字以上の中身があると言っていいでしょう。ただ、曙や白鵬、貴乃花など強豪横綱との対戦成績はやはり分が悪く、横綱と大関の境目はそんなところだったのかもしれません。
2004年の綱とりで、12勝を挙げて見送りというのが印象に残っていますが、魁皇の場合、平凡な横綱としてよりも、最強の大関としての人生がよかったのではないかと思います。なんだかんだで、2006年頃には引退危機がささやかれていましたから、こんなにも長く見れてうれしかったし、琴奨菊や把瑠都との対戦成績を見れば、しっかり若手への壁の役割も果たしていたと思います。
さて、魁皇の後継として名が挙がっているのが稀勢の里と琴奨菊です。
ワラにもすがる思いの稀勢の里は、今年の初場所前の貴乃花部屋の新年会に招待されるなど、平成の大横綱に急接近。ひそかにさまざまなアドバイスを受けていることを人伝に知った鳴戸親方は飛びあがり、こう言って断絶を迫ったという。
稀勢の里も琴奨菊も今ひとつ皮がむけ切れず、鶴竜と共に三役に滞留しています。上のような記事もありますが、外の風を取り入れるのは稀勢の里の場合必須だと思います。今後は、魁皇なんかからも学んでほしいですね。
次点で、豪栄道や隠岐の海、栃煌山、魁聖あたりが控えています。魁聖は大関まで駆け上がるのは時間の問題だと思います。
日本人力士の大黒柱が去った今後ですが、短い間に角界を支える大関・横綱が出てくることを望みます。
0栃若時代の立役者・初代若乃花永眠
私の記憶の中では理事長としての役回りが一番鮮明ですが、母から若乃花の映画を見て感動したという話を聞いたり、後の若貴ブームの頃に花田家の歴史が取り上げられたりと身近な横綱であったことは確かです。
昭和の名横綱が静かに眠りに就いた。大相撲の第45代横綱・若乃花の花田勝治さんが1日、82歳で亡くなった。3歳上の第44代横綱・栃錦と「栃若時代」を築いてファンを沸かせ、引退後は日本相撲協会の理事長として「待った制裁金」を導入(のちに廃止)した。勝負師に徹した人生だった。
概要としてはこういう紹介の形になるでしょうね。栃若は場所数の制約があった時代背景もあって両者共に優勝数は10止まりだったと記憶していますが、この二人の相撲を見ると攻防があって非常におもしろいです。栃錦は前期と後期で相撲のスタイルも異なり、技術型から安定型へと進化を遂げました。若乃花は小さいながらも力強さがあり、当初から強さを発揮していました。それが、後期になると安定感も加わり、華も実力もある素晴らしい力士として記憶されています。
それにしても、相撲取りで82歳の長寿をまっとうするというのは珍しいことです。
初代若乃花死去:82歳は明治以降の横綱で史上2番目の長寿記録
82歳で死去した花田氏は、歴代横綱では明治中期に綱を張り83歳で亡くなった初代・梅ケ谷に次いで2番目の長寿記録。昭和以降に横綱に昇進した力士は80歳まで生きた鏡里を除けばおおむね50~60代で生涯を終えている。
当然、医療技術の向上などもあるのですが、横綱の平均寿命はあまりにも短いですね。ただ、若乃花以降の横綱は柏戸や玉の海を除いて存命だと思うので、このトレンドは今後は変わってくることでしょう。
また、上記記事にはさまざまな関係者のインタビューが載っていますが、やはり弟子は師匠を畏怖している様子が伝わってきます。そして、その他の元力士は尊敬のまなざしで見ていることがわかります。どんな存在であったかが明確になっているインタビュー集だと思います。
さて、最も関係が近いとも言える貴乃花はどういうコメントを残しているでしょうか。
花田さんのおいで、日本相撲協会審判部長を務める貴乃花親方(元横綱・貴乃花)は1日夜、「昭和の横綱、歴史の象徴を失った気持ち。残された我々協会員が伯父の遺志を継承していくべきだと改めて思った」と話した。最も印象深い思い出として、92年初場所の初優勝時に、当時理事長だった花田さんから賜杯を受け取ったことを挙げ「雲の上の存在で、年1度の正月のあいさつで緊張したことを思い出します」。「自分は孫弟子でしたので、孫を見る祖父のように、やさしくしていただいた」と惜しんだ。
鬼の若乃花も、甥っ子には優しかったんですね。賜杯の授与は印象的で、時代の変化、継承といったものを想起させる出来事でした。
勝雄くんを亡くしたこと、栃錦とのライバル関係、弟・貴ノ花との師弟関係、多くの横綱・大関の育成、花田の血筋の継承・・・さまざまなドラマに満ちた人生でしたね。心よりご冥福をお祈りいたします。
ちなみに、4年くらい前のインタビュー本によれば、安馬(当時)がお気に入りとのこと。やはり、真っ直ぐ、粘り越しがあり、情熱を感じさせる自身のような相撲をとる力士が好きなのですね。
0平成22年大相撲名古屋場所千秋楽・白鵬47連勝と独走への懸念
野球賭博の関連でダイジェスト放送となり、多くの休場者が生まれ、天皇賜杯の授与などお祝い事も自粛ムードと異例づくめの名古屋場所でしたが、実際、土俵のほうも盛り上がりに欠けるものになってしまいました。
①白鵬独走、47連勝
もう誰も白鵬と止める者はいません。善戦したのが、把瑠都、琴欧州、日馬富士の3大関と稀勢の里くらいでしょうか。ただ、勝機が少しでもあったのは把瑠都と琴欧州に絞られますし、総合力・決定力で言えば白鵬の方が数段上です。
安定した取り口ですので、ポカもありません。組んだら負けませんし、離れても焦りません。ここまで安定している力士を私は見たことがありません。本当に末恐ろしいなと思うと共に、大鵬や貴乃花のときもそうだったように、波乱が無く、土俵がつまらないということで相撲離れにつながってしまいかねないのが残念なところではあります。
ただ、力士としては立派の一言。文句のつけどころがなく、唯一のライバル朝青龍がやめてしまった以上、ライバル不在は仕方がないのかもしれません。把瑠都が自分の型を磨くことで対抗馬となるのを期待します。
②今場所活躍した力士・鶴竜、栃煌山、阿覧、豊真将
そんな今場所、活躍した力士としては、鶴竜、栃煌山、阿覧、豊真将が挙げられます。鶴竜は前に出る相撲が戻ってきました。豊真将も同様で、考えすぎずにしぶとく前に出ることが好結果につながったと思います。
一方、栃煌山は、愚直に前に出る相撲に勢いと詰めの厳しさが出てきました。前者二人とは異なり、はたきなどに浮気せず、着実に積み重ねてきたものですので、今後の成長にも安定感が期待できます。また、阿覧は相変わらず雑な張り手などもありますが、自分の力の出る姿勢に持っていこうとする技術の向上が見られました。
これらの力士は、大関第一候補からは一歩遅れた第二候補としての陣営ですが、混戦になるのはうれしいことです。
③今場所期待はずれだった力士・把瑠都、稀勢の里、琴奨菊
把瑠都は型を作るために試行錯誤している感じです。立会いでの迷いが多く、突っ張りから流れで組むか、そのまま突くかといった戦略を磨く必要があるようです。
稀勢の里は小さい人には強いのですが、大きな人には組んでも勝てません。また、立ち合い負けが多すぎます。そして、何より、詰めが甘く、どうしたら粘る相手を土俵外に押し出せるか、寄りきれるかという基本をもっと研究して欲しいです。
琴奨菊は、琴光喜の件もあったことですし仕方が無いかもしれませんが、元気のあるガブリがあまり見られませんでした。
この三人に共通しているのは、立会いの悪さです。琴奨菊はいつもは立会いがいいのですが、今場所はダメでした。
④来場所の展望
来場所も、怪我などなければ基本的には白鵬の連勝がどこまで伸びるかという話になると思います。日本人力士の急激な飛躍も期待できず、②と③で挙げた力士がどういう成長経路をたどっていくかが唯一の見どころです。
正直、盛り下がり感が否めない最近の土俵です。
0野球賭博問題に関する一大相撲ファンの見解
野球賭博問題は当初予想された以上の広がりを見せ、名古屋場所、ひいては大相撲界はどうなってしまうのか心配でなりません。
野球賭博問題で渦中の大関・琴光喜(34)=佐渡ケ嶽=が現役引退する意思を固めたことが26日までに分かった。複数の部屋関係者によるとすでに佐渡ケ嶽部屋に引退届を提出したが受理されていないという。部屋としてはあくまでも日本相撲協会が今後の理事会で下すとみられる除名、解雇の厳罰を受けさせる意向とみられる。
まず、残念なのは琴光喜が引退もしくは解雇・除名されてしまうということで、日本人大関はついに満身創痍の魁皇のみになってしまうという点です。この点、今回の件で名前が出ていない稀勢の里あたりに期待したいところですが、琴光喜は最近お得意様になっていたこともあり、超えなければならないハードルはまだまだ高いままという印象です。
続いて、野球賭博自体に関してですが、相撲界にはそういった慣習があったことは暗黙の了解でした。タニマチ制度とか、現金が飛び交う状況が、こうした方向へと力士たちを動かした点は否めません。やはり、貴乃花が主導しているように、サポーター制度への脱皮ということもひとつの手だと思います。
個人的には、賭博というのはありふれたものだと思っていて、霧島がゴルフ賭博をやっていたと言っても驚きもしません。実際、私たちのまわりには、パチンコやマージャンなどの違法賭博もあふれており、公によって運営されている公営賭博もあります。白と黒の境界線が曖昧なのは誰もが首肯するところでしょう。
あえて言えば、暴力団がからんでいたのが問題で、ここは建前の問題点を追求するのではなく、実質的な問題を排除する方向で問題解決に動いて欲しいと思う限りです。賭博の問題というより、相撲界のシステムの問題なのです。
ところで、琴光喜は退職金・功労金合わせて5500万程度もらう予定だったということですが、大関歴、戦歴、過去の横綱の特別功労金一覧を踏まえると、妥当なところだと思います。賭博が発覚した当初は現役続行の意思があったことを考えると、引退意思は朝青龍同様、退職金・功労金関係のテクニカルな部分であり、解雇の場合にそれがなくなってしまうのは仕方ないところだと思います。
0平成22年大相撲夏場所千秋楽・鉄壁の白鵬と祝・魁皇1000勝達成
優勝戦線という意味では、かなり面白みがない場所となってしまいました。そんな中、魁皇の1000勝達成が白眉でした。
①鉄壁の白鵬、連勝・連続優勝は果てしなく伸びていく
コメントなど見ていると、本人も、自分の実力が抜けていることを自覚しているようで、平成の大横綱・貴乃花に並んだ後は、昭和の大横綱・大鵬に並ぶことを意識しているようです。
白鵬の場合は、しっかり相手十分にならせてからでも競り勝つことができ、その実力は私がこれまで見てきた力士の中でトップです。まわりの力士は、白鵬が怪我などでハンデを負わないことには勝つことは難しいでしょう。実際には、逆に周りの力士が怪我をして白鵬にさらなるアドバンテージを与えている状況で、連勝や連続優勝はしばらく伸びていく気配です。
②魁皇1000勝達成の重み
魁皇がついに通算1000勝を達成しました。昨年はすべて8勝で切り抜け、日本人力士最多勝である意味安定感を見せた魁皇ですが、なんと今年2回目の9勝ということで、2から3年前よりもよほどいい成績を残しています。
稀勢の里をはじめとして、魁皇を超えられないのはなんとも歯がゆいという思いがある一方で、我が青春の貴乃花時代の英雄が未だに活躍してくれているのはうれしかったりします。
ここまで来たら千代の富士の1045勝、決して低い壁ではありませんが、見てみたいという思いはあります。
③若手の奮起を!
新大関の把瑠都は10勝とまずまずですが、琴欧州、日馬富士が9勝なのは怪我を考慮してもちょっと残念ですね。もっと残念なのは日本人役力士で、稀勢の里がなんとか8勝、このままでは一時期の琴光喜のごとく関脇停滞も考えられるだけに奮起を促したいところです。栃煌山は7勝止まりと、だんだんよくなってきているものの物足りない感じです。そういう意味では、9勝の琴奨菊は合格点か。
あとは、豪栄道は下位のわりには9勝と物足りません。栃ノ心も、将来性はあるものの、さまざまな力士への対応という意味ではまだまだです。そういう意味で、総合力があり、苦手が少ない力士というのがおらず、そのへんが白鵬の独走を許す遠因になっています。
④来場所展望
来場所は、把瑠都がどれだけ調子を取り戻してくるか、また、日馬富士が怪我明けで本調子を取り戻すか、琴欧州が小さいつき押し型力士という苦手克服できるかあたりが注目です。そういう前提がなければ、白鵬政権は簡単には倒れないでしょう。
若手は実力拮抗している中で、誰が抜け出すかということになりますが、安定感の琴奨菊、爆発力の稀勢の里が関脇を張るわけですから、ちょっといつも以上に期待したいところです。
0平成22年夏場所展望・またいつもの展開か
ここ何年かの大相撲は、だいたいパターンが決まっています。朝青龍や白鵬などの横綱が中心となって、大関陣のうちピチピチな力士(日馬富士・琴欧州・把瑠都)が途中まで食らいつき場所を盛り上げます。また、前頭3枚目くらいまでの上位勢とあたる位置からすべり落ちた実力者が、大勝ちしたりして将来への希望を見せます。が、しかし、なかなか若手が三役で二桁を挙げるのは難しいという状況です。
稽古総見を見ても、特に波乱要因は見当たりません。
一方、20番取って五分の星に終わった把瑠都は「緊張して体が動かなかった」。大関昇進に伴う行事で多忙を極め、「(疲れは)あります」と打ち明けた。武蔵川理事長は把瑠都について「息が上がっていた。(本格的なけいこは)これからでしょう」と話した。
こう聞くと把瑠都は不調なのかと思うでしょうが、本場所まではまだまだ10日弱時間があります。そこで調整することで、調子を取り戻し、優勝争いにからむことは可能だと考えています。それほど、把瑠都とその他の実力は離れているのです。
ただ、メンタル面ではまだまだ未知数です。取りこぼしが重なるとすれば、その点に起因するものでしょう。先場所の突っ張りを忘れなければ、12勝は堅いと思います。
続いては、日本人期待の星、稀勢の里について。
以前からブレークを期待する貴乃花親方(元横綱貴乃花)は「大器の片りんではなく大器。いつもより気迫があった」と絶賛した。稀勢の里は「期待されているうちが花なんで。新大関は刺激になっている」と、大関とりの足場固めへ意欲を燃やした。
稀勢の里は、こうした期待を持たせても、大関陣と5勝5敗と聞くと、琴欧州・日馬富士の壁はまだまだ越えられないのかなと感じてしまいます。ただ、大関への階段の第一歩となる10勝から11勝は現実的な目標だと考えられるので、まずはそれを目指して欲しいと考えています。
もう一人、私が期待している豪栄道に関しては、あまり報道には出てきていません。先場所休場したのをひきずっていなければいいのですが・・・
最後に、元気なベテランの話です。
37歳の大関・魁皇が健在ぶりをアピールした。最近の総見は5、6番前後に抑えていたが、この日は14番取って8勝6敗。琴欧洲を豪快に投げ飛ばし、白鵬を正攻法で寄り切るなど館内を沸かせた。「たまたま体が動いた。ケガがあるから、常にマイペースです」と謙そんしたが、同期の貴乃花理事(元横綱)は「同じ年には思えない。表彰ものですね」と絶賛。
魁皇は元気ですね。持病やいためやすい部位などがあるので、できるだけ抑えて欲しい面もあるのですが、この調子を本場所まで維持できれば、豪快な投げや、右上手で相手を動けなくしての貫禄の寄りなどが見られそうで楽しみでもあります。
これらすべてを踏まえて、私は、夏場所の優勝は把瑠都だと予想します。もちろん、お金がかかっていれば白鵬にしますが、一気に横綱へ駆け上がって欲しいという期待も込めて、把瑠都にします。
また、対抗馬としては、下の番付で白星を積み重ねるであろう豪栄道にしておきます。休場だったらこの話はなしですが・・・
0平成22年大相撲春場所千秋楽・把瑠都は一気に横綱へ?
今場所はコンスタントに取り組みを見ることができていましたが、ブログを書く暇がなかなか見つからず、場所終了後に総括という形で書くことになってしまいました。
①把瑠都の勢いは本物
まず、今場所の注目を集めたのは何と言っても把瑠都。場所前は手の怪我が心配されていましたが、それがかえって突き放して取る相撲を開花させることとなり、安定感が増しました。
曙のように突ききって勝てればそれで構いませんし、四つに組んでも怪力がありますので、白鵬や朝青龍クラスの技巧派が相手でなければまず負けません。つまり、油断せず前に出る相撲をとってさえいればかなりの安定感が望めるわけです。
そういう意味では、横綱になるのは時間の問題だと思います。それには、白鵬を破るのは必要不可欠なハードルであり、そのためにも、立会いの厳しさを磨くことが課題になるかと思います。
②日本人若手力士の総評
期待の若手筆頭の稀勢の里は先場所に続いて9勝と大関レベルには届かず。琴奨菊と栃煌山は二桁であるものの、栃煌山は下位なので割引評価。豪栄道は怪我で再び下位へといった状況です。
舞の海氏も言っていますが、これらの力士に欠けているのはがむしゃらさと技です。稀勢の里は気迫はあれども技術面が未熟です。琴奨菊はがぶりや立会いの鋭さはいいのですが上位に対して形を作れません。栃煌山は前に出る相撲がよくなってきましたが、過去は上位に対して空回りといった形で通用していません。豪栄道は相撲センスはピカイチですが、それに頼って無理をする若乃花のような相撲です。
ただ、上昇曲線はゆるやかですが皆強くなっているのは感じられます。あと一息、上記事項を乗り越えられるかといった感じです。
③白鵬時代は終わらない
白鵬の安定感はすさまじく、九重親方が言っているように、故障しない限りは白鵬の天下が続きそうです。また、立会いは厳しいものの、相手にしっかり取らせる横綱相撲も取れており、まさに文句のつけようのない横綱です。
あえて挙げれば、把瑠都がさらに突っ張りを磨いたところでどう対応するかが見ものという感じでしょうか。また、日馬富士クラスの力士が変化などなりふり構わず向かってきた場合、崩れることもあるかもしれません。
④大関陣総評
日馬富士と琴欧州が二桁で若手大関の意地を見せたほかは、低調でした。ただ、琴光喜に関しては次々に繰り出される技が復活し、立会いからのつなぎに注意すれば大関を維持できそうな印象です。魁皇は怪我も重なり、さすがに限界が見えてきた感があります。
そういう意味では、横綱に最も近い大関は把瑠都です。琴欧州は小さな力士が苦手ですし、日馬富士はパワー型力士が苦手です。その点、把瑠都は小さな力士にもパワー型力士にも対応できますし、実力では一抜けという印象があり、白鵬の壁さえ乗り越えれば優勝と横綱は近いでしょう。
⑤来場所の展望
来場所に関しては、把瑠都が白鵬に対してどういった相撲をとるか、また、今場所のような突っ張りで先制、組んでしっかりの相撲を継続できるかといったところが焦点になります。それができた場合、一気に横綱という話にもなるでしょう。
次の大関という観点から考えれば、稀勢の里です。苦しみは長いのですが、下位に負けないなどの安定感は出てきましたし、あとは、師匠を見習って苦手力士を研究し、苦手をなくしていく地道な努力が実を結ぶのを待ちましょう。次点は豪栄道で、センスがあるので大関までは早く行けるのではないかと思います。
0過去の横綱の特別功労金一覧
朝青龍の件で特別功労金がクローズアップされましたが、相撲ファンとしてはなかなかおもしろい資料なので引用しておきます。
◇主な横綱の特別功労金◇
- 力士名 最終場所 優勝回数 金額(円)
- 貴乃花 03初 22 1億3000万
- 朝青龍 10初 25 1億2000万
- 千代の富士 91夏 31 1億
- 曙 01初 11 1億
- 武蔵丸 03九 12 9000万
- 若乃花(3代目) 00春 5 7000万
- 北の湖 85初 24 5000万
- 輪 島 81春 14 3500万
- 北勝海 92春 8 3500万
- 若乃花(2代目) 83初 4 2600万
- 大 鵬 71夏 32 2500万
- 大乃国 91名 2 2500万(引用終)
やはり、大鵬さんの時代から考えればインフレが大きく考慮されており、そういう意味では、実質的な高額化傾向の分と分けて考える必要があるでしょう。逆に言えば、インフレ調整後の金額ランキングなんかも見てみたいですね。
細かいところですが、直近の横綱は網羅されている一方で、旭富士の数字がないのが気になりますね。
また、特別功労金は横綱・大関がもらえるそうですが、大関だとどのくらいもらえるのかも気になります。特に、長期にわたり角界に貢献した千代大海、魁皇あたりはすごい額になるんじゃないでしょうか。とは言え、横綱と比べれば貢献度は限定的で、数千万台前半といったところでしょうね。
0大関最長在位・千代大海が引退
平成22年大相撲初場所初日から3日目という記事で、
私としては、意地の突っ張り、電車道、そして、勝ち星を見たいところです。
と述べた矢先の出来事だったので、正直びっくりしています。
昨日の負けっぷりはたしかに衝撃的で、ここで引退の線もあるかと思いましたが、報道で次の日への意欲も口にしていたようなので、前言どおり、可能性がなくなるまでやるのかなと思っていました。
ただ、引退を決めた相撲としては、本人も口にしているように、ベストなものだったように思います。
現役生活最後の相手は、ともに長く大関として戦ってきた魁皇。「(魁皇は取組後に)自分と当たったことの思いを聞かれてもコメントしなかった。(自分への)思いを感じた。最後の相手が魁皇関で良かった」と話した。魁皇にとっても、千代大海と最後に取った相撲が、千代大海の師匠である九重親方の幕内最多勝利記録を更新する一番となった。
相手は長年のライバル魁皇。そして、その魁皇の808勝目という記念すべき一番。そして、あの引退を感じさせる負けっぷり。どれをとっても、最後の一番としてフィットしていたように思います。
また、ここまでの流れも、将来の横綱候補である稀勢の里、そして、同じ突き押しの北勝力の会心の押し相撲など、文句のない相手ばかり。ここでよかったという気持ちは親方も本人もあるでしょうね。
千代大海といえば、元気よく上がって来た頃の負けん気の強いイメージが強いですね。そして、相撲人生の後半も、磨きのかかった回転のいいツッパリと絶妙の引き技で下に負けないイメージがありました。
とりあえず、ご苦労様と言いたいですね。大関の地位であれだけ長い期間居続けるというのは難しいことです。カド番の多さがそれを物語っています。出島も引退し、千代大海も引退。貴乃花世代の下の世代にも、時間の波が押し寄せているようです。
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