2010年F1ドイツGP決勝、チームオーダー発令でフェラーリ1-2!
週末を通して競争力を発揮し、フェラーリの復活が明確になった一方で、事実上のチームオーダー発令は、マッサの気持ちを考えると胸が押しつぶされそうになるものでした。
レースが40周を過ぎると、2番手アロンソが3番手マッサとのギャップを縮め始める。これを見てフェラーリ首脳陣はマッサに「君よりアロンソのほうが速いタイムで走っている」と告げ、49周目にマッサがターン6の先でアロンソを先に行かせた。これで首位がアロンソとなり、2番手マッサ、3番手ベッテルというオーダーになった。(中略)
その後はコースでの順位変動はなく、首位アロンソが66周目に1分15秒880というファステストラップをマーク。そのままトップチェッカーを受け、通算23勝目、今シーズン2勝目を手にした。2位にマッサが続いてフェラーリが1-2フィニッシュを達成、3位のベッテルはファイナルラップに1分15秒824というファステストラップを刻んでいる。
レースを決定付けたのはスタートで、ベッテルがやや遅れ、アロンソのけん制に必死になっている間にクリーンスタートを決めたマッサに抜かれるという形でした。
その後は、アロンソのマッサに対する猛攻がありましたが、そこで思い出したのは2007年のアメリカGPです。当時マクラーレンのアロンソは、ハミルトンの真後ろに位置づけつつも、抜くことができずイライラをアピールしていました。マクラーレンでは順位入れ替えはできませんでしたが、今回は順位入れ替えが行われたということで、チームの思想の違いもあるかもしれません。
また、2008年中国GPの記憶も思い起こされます。あのときは、チャンピオンシップをかけて戦っているマッサに対してチャンピオンシップ脱落しているライコネンが譲ったというものでした。
今回のチームオーダーは以下のとおり。
ホッケンハイムのレースでチームオーダーと見られる行為が発生した背景には、マッサの後方を走るアロンソが無線で「(マッサの後ろを走ることは)ばかげている」と発言したことがある。
その後、マッサのレースエンジニアを務めるロブ・スメドリーがマッサに対し、「いいか、”フェルナンドのほうが君より速い”。このメッセージが理解できるか?」と話しかけた。
それを聞いたマッサは、バックストレートエンドのターン6を通過後、スローダウンしてアロンソに道を譲っている。
この無線を聞いたとき、かなり明白な言い方をするんだなと感じると共に、マッサに感情移入して辛くなりました。アロンソファンの私でさえそうでしたから、マッサファンは怒り狂ったのではないでしょうか。
私としては、チームオーダーが許される場合もあると思います(F1のチームオーダーについて)。ただ、今回はまだチャンピオンシップでマッサにも可能性が残っていますし、チームの判断としては正しくとも、フェアネスの観点から肯定できないものだと感じました。
さて、当のアロンソはどう受け止めているのでしょうか。
「僕たちはいつも観客たちに対してショーをお見せしている。フェリペも言っていたけど、僕らは会社やチームのために働いた。今年はチームメイト同士でクラッシュするシーンを何度か見ているけど、今日のフェラーリは43ポイントをポケットに収めることができた。これこそ、僕らがここで戦っている理由なんだ。最も重要なのはチームの結果さ」
チームのため。そうなのです。フェラーリはかなりのビハインドをとっているので、ランキング上位のドライバーを上にして、少しでもドライバーズチャンピオンシップ獲得の可能性を上げたいのです。
この「チームの判断」の部分を重んじているのがシューマッハで、他のF1関係者が軒並み糾弾している中、一人理解を示しているのが印象的でした。シューマッハが最強の個人記録を持っている理由、フェラーリの強さの秘訣、そして、その裏につきまとう批判、そういうものが詰め込まれているように思いました。
